許可申請とは何か?あらゆる許可申請の成功エッセンス
この記事では、日本におけるあらゆる許可申請を成功させるためのエッセンスとなる共通の基礎知識や考え方を説明させていただきます。
許可申請は書類の提出作業ではありません
もし、許可申請イコール書類を提出するだけの作業だったら・・・
恐らく、行政書士に決して安いとは言えない報酬を支払って依頼する人はいないはずです。
自分で提出する時間が無いから頼まざるを得ないという場合でも、単に代行というだけなら、アルバイトでも雇って作業してもらえば良いです。
また、許可申請が単なる作業だったら、そのうちAI(人工知能)が全部やってくれるようになるでしょう。
AIの発展により士業の仕事がなくなるという迷信(AI士業代替論)のとおり、私たち行政書士も全員廃業です(笑)
許可申請において書類の提出はごく一部のプロセスであって、手段・方法に過ぎず、やらないと許可が得られることは絶対にあり得ませんが、やったとしても許可が取れるか取れないかは別次元の話なのです。
宝くじは買わなければ絶対に当たらず、買ったとしても当たるか当たらないかは別次元・・・のようなフレーズですが、
宝くじが当たるか当たらないかは確率論の話、
許可が取れるか取れないかは、
法律論の話
なのです。
法律論の話というのは、ズバリ、
法律で定められた許可の条件を満たしているか否か
の問題だということです。
いってみれば、真実を見通すことのできる神様の目で見ることができるのならば「その人がその許可を取れるか取れないか」は、常に判定可能なわけで、書類の提出など不要なのです。
しかし、現実には、許可を取れるか取れないかの判断は公務員たる人間が行います。
人間には神様の目がありません。
完全に余談ですが、『デス○ート』という漫画・映画に出てくる死神の目を持った人間が他人を見ると「氏名(本名)」が見えるという設定なのですが、同じく、“許認可の神様の目をもつ人間”が申請者の顔を見ると「許可」「不許可」が見えるというなら便利ですね!
ただ、いくら便利な目でも寿命を半分にしてまでは欲しいとは思えないですが「いやいや許認可行政については現実に神様の目を持った人間がいるんじゃないですか?w」と仰る方、感じられる方、教えてくださる方がいらっしゃるかもしれませんね(笑)私、まだまだ未熟なので、霞がかって何が正しいのかよく見えていません。
本題に戻りまして、許可が取れるか取れないかの判断は神様ではなく公務員(人間)が行うわけでありまして、許可申請があると、法律で定められた許可の条件を満たしているか否かを確認することになります。
書類の提出が正式に審査が始まるきっかけとなって、許可申請の一連のプロセスが始まります。
提出するまでではなく、提出してからが許可申請の本番なのです。
さて、このように役所の側からみると許可申請といえば「審査」になるのですが、私たちの側から見ると許可申請とは何なのでしょうか?
ズバリ、結論をいいます。
許可申請とは役所に対する立証活動
許可申請 → 役所に対する立証活動
これです。
立証とは、証拠をあげて事実を証明すること(デジタル大辞泉)です。
ここでいう「証拠」と「事実」とは、
- 証拠:申請書を初めとする提出書類・資料
- 事実:許可の条件を満たしているといえるための具体的事実
のことです。
証拠と事実という言葉を使うと、許可申請の流れは、
証拠あり → 事実あり → 許可
証拠なし → 事実なし → 不許可
と分解できます。
この流れ、何かに似ていると思いませんか?
実は、「立証活動」という言葉は、ふつう、その“何か”の用語として使われます。
そうです、裁判です。
「裁判所に訴えて、証拠資料を提出し、判決を得る」
ということと、
「役所に許可申請して、証拠資料を提出し、許可を得る」
ということは、
ものすごく似た構造なのです。
許可申請と裁判の審査の流れは、
証拠あり → 事実あり → 権利あり
証拠なし → 事実なし → 権利なし
なのです。
許可申請も裁判も、
権限を持つ機関に対し、審査を求め、権利義務の有無を判断してもらう
ということなのです。
ちなみに役所と裁判所の権限はそれぞれ、
- 役所:行政権
- 裁判所:司法権
です。
いかがでしょうか?
このようにみると、
もし、許可申請を書類の提出作業だとするならば、裁判も書類の提出作業ということになります。
が、決してそうは問屋が卸してくれません。
ところで皆様、裁判の専門家は弁護士だということはすぐにイメージがわくと思います。
それでは、許可申請の専門家は誰だかご存じでしょうか?
それこそが・・・
・・・
・・・
行政書士
なのです!
許可申請のプロとは何か
ここまでの記事をお読みいただいた方には、許可申請の難易度に対するイメージをなんとなくお持ちいただけたのではないかと思います。
現実には、具体的な○○許可申請の難易度が○○によってピンからキリまでありますので、一概に難易度について語ることはできませんが、もし、これまでに、
許可申請って何だかよくわからないし難しい・・・
と感じられたことがある方には、その原因がぼんやりお伝えできていれば嬉しいです。
許可申請を自分でするために必要なことは、法律を知ることなのです。
法律を知ることとは、
許可を求める根拠となる法律の内容を理解・把握すること
です。できなくはない話なので、
時間がどれだけかかっても良いなら、あらゆる許可申請は誰にでもできる
ことになると思うのです。
ただ、現実には「時間がどれだけかかっても良い」ということはなく、「許可申請」を例えば「大学受験」など別の言葉に代えても通じる文で、このままだと意味がないです。
意味のある文にリライトするなら↓↓です。
時間制限があるなか、あらゆる許可申請に対応できるのが行政書士
当事務所では、本来、○○許可申請のプロが行政書士ではなく、許可申請自体のプロが行政書士だと考えています。だから、経験済みの業務であろうとそうでなかろうと、きっちりと成果を出し付加価値を提供できるように日々研鑽する必要があります。
う~ん、、、
なんて究めがいのある道なのでしょうか!!!(・∀・)
(本記事とは無関係ですが、行政書士の仕事って、もしかして面白いの?と思った方は、ぜひ所長・長谷川までご連絡いただけると嬉しいです)
まとめ
許可申請とは役所に対する立証活動である
立証に必要十分と考えられる資料が提出できれば許可が取れる
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事では、許可申請を成功させるためのエッセンスということで、個別具体的な方法論は別記事にて鋭意ご案内させていただきます。
日本のあらゆる許可申請が円滑・迅速・ストレスフリーになることを祈念して、本記事の結びとさせていただきます。